こんにちは、しろくまです。
新聞記者ってどんな人が向いていると思いますか?
テレビで記者会見の様子を見ると記者が鋭い質問を飛ばす姿が映っているので、「気が強い人」「ハキハキと話せる人」という印象が強いかもしれません。
でも、私は人見知りで口下手です!
「人見知りでも記者の仕事ってできるの?」って思われる方もいるかもしれません。
結論から言うと、できます!
私は地方紙記者の仕事を10年続けています。
仕事で苦労することもありますが、性格ってなかなか変えられませんよね。
そしてこの仕事に就いてからわかったんですが、案外、人見知りの新聞記者もいます。
今回はそんな私が、取材で人と話す時に気をつけていることを紹介します。私と同じように、「人見知りだけど、人と接する仕事に就いてうまくやっていけるかな?」と悩んでいる方に参考にしてもらえたらうれしいです。
人見知りでも記者になれるのか
最初にも書きましたが、人見知りでも、口下手でも記者になれます!
私以外にも、人見知りの新聞記者って結構いるんです。
同僚にもいますし、同業他社にもいます。
どんな仕事でもいろいろな性格の人がいるように、新聞記者にも明るくて積極的な人もいれば、控えめで落ち着いている人もいます。
記者の仕事は「話す」ことではなく、「聞く」ことです。
仕事で相手にそこまで馴れ馴れしく話す必要はありません。
むしろ、あまり馴れ馴れしい感じだと警戒されてしまうこともありますよね。
逆によくしゃべる記者よりも、人見知りで口下手な記者の方が、取材相手よっては安心感を与えることもあると思います。
取材する時に、私が気をつけていることを次で詳しく紹介します。
取材で人と話す時に気をつけている5つのこと
まず記者として求められるのは、取材相手に対する真摯な気持ちと態度、聞く姿勢です。
相手が何を言おうとしているのか、伝えたいことは何なのかをしっかり受け止め、聞き出す力が必要です。
これは人見知りでも、口下手でも、引っ込み思案でも関係なくできることだと思います。
その上で私が実際に取材で人と話す時に気をつけていることは次の5つです。
- あいさつをしっかりする
- 相手に興味を持ってどんどん質問する
- 寄り添う気持ちを大事にする
- 仕事用キャラで落ち着いて話す
- 感謝の気持ちを忘れない
それぞれ具体的に紹介します。
あいさつをしっかりする
まずは、何と言っても、あいさつが基本です!
ただ、人見知りの方には結構勇気がいることですよね。
人見知りで口下手だと声が小さいことも多いし、あいさつをするタイミングに悩むこともあるかもしれません。
「無視されたらどうしよう」と怖くなったり、恥ずかしさから声がさらに小さくなってしまうかもしれません。
気持ちはよくわかります。
でも、人と会った瞬間、自分からあいさつしましょう!
人見知りな自分を受け入れながら、隠れたくなる気持ちをぐっとこらえてください。
相手に気づいた時に会釈して、自分から近づいてハッキリとした口調で言葉を交わすだけでいいんです。
「○○さん、こんにちは」
「先日はありがとうございました」
「またよろしくお願いします」
私は、あいさつはこのくらいの会話で十分だと思います。
特に、仕事以外の時に取材先の人とばったり会った時など、話題がなければそれ以上無理して話す必要はありません。
ただ、あいさつをするのとしないのとでは印象が全く変わります。
相手の存在に気付いているのに無視するのは印象が悪いので、気付いたら自分から声をかけるように心がけています。
相手に興味を持つ
「会話が続かなかったらどうしよう」「盛り上がらなかったらどうしよう」と不安な気持ちになるのは、人見知りの方にありがちですよね。
でも、記者をしていて思うのは、仕事で人と話す時に気の利いたことを言おうをしなくてもいいということです。
取材で大事なのは、まず、相手がどんな人なのか、興味を持って話を聞く姿勢です。
私は、取材相手と初めて会ったら「この人はどんな人だろう?」と思いながら簡単なプロフィールや経歴を聞いてみます。
そこで、小さくても共通点を見つけるとぐっと親近感が生まれます。
「あ、自分と同じだ」と思ったら、取材とは関係なくても、さりげなく「実は私もです」と言います。
これで、相手にも「おっ」と思ってもらえると、取材の序盤から距離が縮まって話しやすくなります。
そして話を聞く中で「○○についてはどうですか?」「○○したのはどうしてですか?」というように、自分が疑問に思ったこと、知りたいことをどんどん質問していきます。
事前に必ず聞かなければいけないことはいくつかメモしておきますが、あとはその場で話しながら、単純に聞きたいことを聞いていくと自然に会話は続きます。
大切なのは、「なんでだろう」「どうしてだろう」と相手に興味を持ってどんどん質問することです!
これができれば、取材で困ることはそれほどありません。
寄り添う気持ちを大事にする
記者になってから、毎日本当にいろんな人に話を聞いてきました。
取材中、気をつけなければいけないのは、用意してきた質問を繰り返すだけになってしまうことです。
例えば、「◯◯についてはどう思いますか?」と質問した場合に、相手が話してくれた内容について、「わかりました」だけで終わらせてしまうと、アンケートのようになってしまい会話がギクシャクしてしまいます。
アンケートにならないように心がけていることの一つとして、相手に寄り添う気持ちを持つようにしています。
嬉しい出来事だったら、「おめでとうございます」「良かったですね」などと心から祝福します。
悲しい出来事なら、「大変でしたね」「残念ですね」と相手の気持ちを察しながら共感するようにしています。
人見知りの場合、人と話す時に緊張してしまうこともあると思いますが、相手の話の内容に耳を傾けて気持ちに寄り添うことを意識することで、自然な会話ができるようになります。
仕事用キャラで落ち着いて話す
人見知りの方にありがちだと思いますが、緊張から挙動不審になってしまいませんか?
でも、挙動不審だと怪しまれます。
相手に「こいつ、大丈夫か?」と不信感を与えてしまうと良い話が聞けませんよね。
私は緊張した時、まず人見知りのセルフイメージを封印します!
「仕事だから」と自分に言い聞かせて、なるべく堂々と落ち着いた振る舞いを心がけるようにしています。
そしておすすめなのは、人と会う時に「仕事用キャラ」を設定してなりきることです。
職場の先輩や同僚、仲の良い友人など、身近な憧れの人を思い浮かべて、その人のしぐさや対応をイメージしながら、自分の仕事用キャラを作ります。
取材相手にもさまざまなタイプがいるので、相手に合わせられるように何パターンか事前にキャラを想定しておくと安心です。
ある程度相手のノリに合わせることができると会話が楽になります。
私は実際に人と話す時に、相手のタイプを意識しながら自分の身近にいる雰囲気の近いタイプの人と重ねてみます。
「あの人ならどうするかな?」と想像しながら、明るく元気な人と話す時は相手のノリに合わせて少しだけテンションを上げてみたり、真面目でおとなしい印象の人には真面目な先輩の受け答えを真似してみたりします。
最初は難しいかもしれませんが、周りの人のキャラを少し真似することで、人見知りの自分のイメージをおさえることができるはずです。
私も毎日たくさんの人と会って話す中でだんだん身に付いていきました。
感謝の気持ちを忘れない
取材で人と話す時に忘れてはいけないと思うのが、相手への感謝の気持ちです。
どんな取材でも、相手の貴重な時間を使っているのを忘れないようにします。
記者の中には、「取材してあげている」という上から目線の人もたまに見かけます。
そういう態度は相手にも伝わるので、悪い印象を与えてしまい会話もうまくいきませんよね。
相手に媚びる必要はありませんが、フラットな立ち位置でもこちらも相手の時間を使っていることを感謝するようにします。
逆に、「取材を受けてやっている」という横柄な態度の取材相手もたまにいます。
もし、相手に嫌な態度をとられたら、こちらも正直嫌な気持ちになりますが、仕事だと割り切ってめげずに質問します。
話の切り口を変えたり、時には時間や距離置きながら何度も向き合わなければならないこともあります。
その時はつらいですが、後から振り返ると自分を成長させてくれた貴重な経験だと思えることもあります。
人との出会いや会話は、良いことも悪いことも、全て自分の経験や糧になるはずです。
どんな取材でも話をしてくれた後は「お忙しい中、ありがとうございました」とお礼を言うのが大切だと思います。
まとめ
というわけで、人見知り記者の私が、取材で人と話す時に気をつけていることをまとめました。
私と同じように、「人見知りだけど、人と接する仕事に就いてうまくやっていけるかな?」と悩んでいる方、人見知りでもなんとかなります!
大切なのは、あいさつや相手への感謝の気持ちなど、人と向き合う真摯な態度だと思います。
あまり緊張せずに、リラックスして話してみてくださいね。きっと大丈夫です。